キンカン盆栽をつくる前に
小さな橙色の実と濃緑の葉を同時に楽しめるキンカンは、盆栽向きの果樹です。ここでは苗づくりから仕立て、日々の管理までを順に追います。

苗の育て方
キンカンの苗は、播種、挿し木、接ぎ木で増やすことができます。接ぎ木ならふつう5月から6月、種まきは3月から4月が最適期です。まいたあとは土を1〜2センチかぶせ、上からフィルムで覆います。発芽したらフィルムを少しずつ持ち上げて外の空気に慣らし、最後にすっかり外します。実生のあいだは伸びた芽の先を摘んでやると、太く力強い枝に育ちます。なお接ぎ木で仕立てた株が実り始めるのは、移植してから1〜2年後をめどです。
鉢への植え付け
選ぶのは根張りのしっかりした勢いのよい苗で、春に芽が動く前に盆栽へ仕立てます。鉢は直径20〜25センチのものを使い、水抜きの穴には割れた瓦を敷きます。用土は腐葉土に、堆肥化させた土か馬糞を混ぜて作ります。植えつける際、水やりがしやすいように鉢のふちから3センチほど空きを残すのがコツです。植え付け後7〜10日もすれば苗は新しい芽を出します。肥料をやるのは通常2〜3年に1回で、油かすの肥料か、ペースト状に発酵させた肥料を40〜50グラム基肥としてすき込みます。秋は肥料を薄めにしておきます。

盆栽の手入れ
植えつけたらそれで終わりではありません。水やりと肥料、剪定を季節に応じて続けて、ようやく樹形が整います。
水やりと肥料
春と秋は2〜3日に1回、夏や晴れた日は毎日1回水をやります。鉢土の水分量はだいたい70パーセントに保ちます。冬は越冬させる環境によって水の必要量が違うので、その都度見直し、ふつうは7日に1回をめどにします。
春に芽が動きだしたら施肥をかさ上げし、開花期と結実期には尿素を少量くわえます。枝葉の伸びが速くなってきたら、液体肥料の濃度もそれにつれて高くします。

形づくりの剪定
樹形は自然に仕上げる半球形、円筒形、塔形の三つに大きく分かれます。最初の剪定では古びた枝や弱った枝を落とし、10センチメートルほどを残して切り戻します。主枝を立てたあと伸びてくる新梢は短く摘み取ります。剪定とあわせて水と肥料を強化すると、その年のうちに枝葉がよく茂って樹冠を広げられます。