一般的な品種
オリヅルランと一口に言っても、葉の色や形でずいぶん印象が変わります。よく見かける定番から、少し変わり種まで順に紹介していきましょう。

緑葉の定番オリヅルラン
いちばんおなじみのグループです。葉の間からランナーを伸ばして増える性質は共通で、姿は広葉系と狭葉系の2とおりがあります。濃い緑の細い葉がしだれるように垂れ、開花は6月から7月ごろ。薄く黄色がかった可憐な白い花を咲かせます。部屋の有害ガス、とりわけホルムアルデヒドの吸収力が強いと昔から言われてきました。

緑と白の縞が混ざる小型タイプ
草丈が低めでランナーの枝分かれが多く、根元をカラフルな斑入り葉が覆うように垂れるタイプです。細身の葉に緑と白の縞が混ざり、葉のうら側は紫色がかるのが特徴。白い花とのバランスがよく、暖かく湿った環境を好みます。真夏のギラギラした直射日光は葉焼けのもと。明るい日陰で育ててください。

アプテリア(ボタンラン)
茎や葉柄が赤紫色で、葉は厚くつやがあり、全体がしだれるように下垂します。6月から10月まで長く咲き続けて小さなピンク色の花をたくさんつけるので、開花期間だけ見ると断トツ。暖かく湿った環境を好みますが、厳密にはオリヅルランではなく多肉寄りの仲間です。水やりは鉢土が乾いてからで十分よく、受け皿への水の溜めすぎには注意します。

金縁のオリヅルラン
葉の縁に金色のラインが入る品種です。緑の葉は幅広く柔らかい印象で、花茎はひょうたん形に湾曲しながら伸び、まとまって白い花を咲かせます。基本的に半日陰で育てますが、冬は葉色の濃さを保つためにも日光をもう少し欲しがるので、陽の当たる窓辺へ移すといいですよ。部屋に飾りながら空気も整えてくれる頼れる子です。
銀縁のオリヅルラン
金縁とはうってかわり、葉の縁が白く入るタイプです。白い帯は広めで、葉の長さは30cm前後にも伸びます。暖かく湿り気のある半日陰が好きで、耐寒性はやや弱め。水はけがよく、肥料持ちのよいさらさらした砂質土に植えると、根張りぐあいが一段ちがってきます。

珍しい品種
お次は店先ではあまり見かけない、ちょっとマニアックな面々。斑の入り方がそれぞれ違って、並べて飾ると楽しいグループです。

金心のオリヅルラン
細い線状披針形の葉で、真ん中に黄白色の縦斑がひと筋入ります。花は白く、花弁は6枚。春から夏にかけて咲きます。暖かく湿った環境を好む一方で、夏は強光に当たると斑が焼けてしまうので遮光を。冬は低温に弱いため、窓際夜の冷気に当てないよう保温にも気を配ってください。

銀心のオリヅルラン
緑色の葉の中央に、幅1cmほどの銀白色の帯が入る品種です。乾燥には割と強いほう。気をつけたいのが肥料で、窒素を増やしすぎると白斑がくすんで鮮明さが失せてしまいます。空気を清浄化する力はこのタイプはとりわけ強く、見栄えと実用をあわせもつ優秀な子です。

広葉のオリヅルラン
南アフリカ原産の、大型で広葉系のオリヅルランです。葉は幅広い線形で、ふっくらとしているか、わずかに折りたたまれるように反り、厚みのある濃い緑色。開花期は春から夏です。葉が光にひときわ敏感で、真夏の強い光は大の苦手。暖かく湿った半日陰、これがこのタイプの定位置です。
広葉と狭葉の中間タイプ
広葉と狭葉の中間くらいの幅の披針形の葉で、葉の中央に黄色い斑点が入ります。開花は春から夏。湿り気のある半日陰を好み、茎も葉もぐんぐん育つスピード派です。放っておくとあっという間にボリュームが出ます。

特別な品種
ここまでは本物のオリヅルランの仲間ですが、ここから先は名前にランと付いていても別の科の植物です。置き場所や水やりの好みも変わってくるので、混同しないよう注意してください。

クチベニラン(口紅ラン)
口紅に似た花を垂らすところからこの名がつきました。茎や枝の長さは20cm内外。筒状の赤い花が本当に口紅のケースに見えるんです。半日陰を好みますが、光が強すぎても弱すぎても葉色が薄緑や黄緑にぼやけてしまうので、レースカーテン越しの窓辺がちょうどいい塩梅です。

パールラン(ギョウギョクジュ)
別名をエメラルドの玉。多肉植物で、直径1cm内外の緑の球状葉が連なり、垂れた枝が翡翠色の珠の列をいくつも作ります。10月ごろ、白または薄茶色の小さな花が咲き、つぼみには赤い細い筋が入るのもかわいいところ。適応力があって、風通しのよい明るい場所さえ確保できればまず失敗しません。

ケッコンオリヅルラン(ツユクサ科)
花市場でこう呼ばれて定着しましたが、中身はツユクサ科の垂れ下がる植物です。葉は小さめで柔らかい緑色、うら側は紫色。茎は細く節があってしなやかに伸び、白い小さな花を咲かせます。高温多湿と明るい散光を好み、直射日光は嫌います。葉色のコントラストがきれいで、寄せ植えの引き立て役にもってこいです。