パフィオペディルムの春夏秋冬の手入れ

支柱で花茎を支えた咲きかけの一輪

春の手入れ

寒さが和らぐ春は、新しい芽が動き出す季節です。置き場所から水やり、肥料、植え替えまで、春にやるべき手当てを順に整えます。

温室で育てるパフィオペディルムの鉢並べ

置き場所

パフィオペディルムは光の弱い環境で育つため、直射日光には当てません。50〜60パーセントを目安に遮光して、温室や室内で育てます。屋外に出すときは、雨が直接かからず風通しのよい場所を選び、葉が焼けるのを防ぎます。

水やり

もともと湿った土地に根を張る性質で、一年を通して水を好みます。鉢の表面がうっすら乾いてきたら、そのつど十分に与えます。新しい芽の伸びを促すため、葉水も適度にします。梅雨の時期は用土が過湿に寄りやすいので、表面の乾き具合をよく見て回数を調整します。

肥料

芽が動き出したら施肥を始め、週に1回の間隔で続けます。使う前に肥料の説明書を読み、指示された濃さに薄めます。薄すぎても濃すぎても根を傷めるので、加減は正確に守ります。

鉢

植え替えは花が咲き終わり、新しい根が出る前に行います。夜間の温度が12〜13度ある時期が適します。周期は1〜2年に1回です。株を大きくしたいときは一回り大きな鉢へ移し、増やす場合は株分けにします。パフィオペディルムは根の数が少ないので、ていねいに扱い、根を折らないよう注意します。

夏の手入れ

気温と湿度が上がる夏は、遮光と水やりが手当ての中心になります。栽培場所、水、肥料の順で整えます。

春に伸び始めた新しい芽と根

栽培場所

日ざしが強くなり、梅雨明け後は気温も上がるので、遮光を60〜70パーセントまで強めます。温室でも室内でも日よけは欠かせず、葉が日焼けするのを防ぎます。遮光網は株から離して張ります。近づけすぎると通風を妨げ、熱がこもって株を弱らせるからです。あまり暗くしすぎると葉が長く伸びて垂れるので、明るさのバランスに気をつけます。

水やり

夏の株は勢いよく育つため、水を切らすとすぐ乾いてしまいます。朝夕の2回、たっぷり与えます。日中が30度、夜間が25度を超える日には、そのつど水を補給します。室内の夜が蒸し暑いときは、屋外へ移して風を通します。

肥料

夏は生育の最盛期で、肥料は欠かせません。週に1回を9月の中旬まで続けます。

秋の手入れ

涼しくなる秋は、夏の管理から冬の備えへ切り替える季節です。置き場所、水やり、肥料、古い葉の手入れと除草を順にこなします。

置き場所

秋は日ざしが弱く日照も短くなるので、遮光網を1枚外し、50〜60パーセントの遮光を保ちます。

遮光網を張った夏の栽培棚

水やり

用土の表面が乾いてから与えます。成長が鈍る時期なので、水の吸収は夏ほどではありません。目安は2〜3日に1回です。空気が乾燥して表面も乾きやすい時期ですが、やりすぎは禁物で、とくに花芽をもつ株は水を控えめにします。

肥料

施肥は月に2〜3回、夏と同じ間隔で進めます。ただし花が咲いている株ではいったん止め、咲き終わってから再開します。

老葉取り

その年の成長が終わると、2年前に展開した葉が赤茶色に色づいてしおんできます。これは病気ではなく、ただの老化の現象です。株を傷めないよう、古い葉はていねいに取り除きます。

除草

市内で育てていれば気になりませんが、郊外や畑のそばでは雑草が手強い敵になります。初秋のうちに草を根ごと引き抜いておかないと、あとあとまで困ることになります。

冬の手入れ

寒さの厳しい冬は、光と水を抑えて株を休ませる季節です。置き場所、水やり、湿度、支柱の四点を整えます。

支柱で花茎を支えた咲きかけの一輪

置き場所

冬は日ざしが弱く日照も短いので、使っていた遮光網は外します。ただ反射の強い新しい温室では、念のため1枚かけて30パーセントほど遮光します。室内はもともと光が足りないため、日よけは不要です。夜間は気温が下がるので、温室に入れてやり、空気が滞留しないよう通風に気をつけます。

水やり

花茎が伸びるにつれて水の必要量も大きく増えるので、乾かしすぎないよう特に注意します。冬の水やりは正午より前の明るい時間帯に済ませ、用土の表面が乾いたのを見てから与えます。

湿度

パフィオペディルムは湿度の高い環境を好み、普段は60〜80パーセントを目安に保ちます。湿度が足りないと育ちが悪くなり、株全体が弱ります。乾燥が気になるときは床に水を打つか、葉水で湿りを補います。すでに花芽が出ている株や咲いている株では、施肥は行いません。

支柱

花芽が育つ時期に空気が蒸し暑すぎたり、肥料をやりすぎたりすると、花茎がうまく伸びず、株が傾いて花が下を向くことがあります。それを防ぐため、支柱を添えてやわらかい紐で軽く固定します。

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